ゴーバルの豚ってどんな豚?
串原養豚×GOBAR
ゴーバルのハムやソーセージの原料となる豚肉は、工房から車で10分ほどの所にある,「串原養豚」から仕入れています。
ゴーバルと串原養豚で頻繁にミーティングを行いながら、アニマルウェルフェアの考え方を取り入れた飼い方の相談や、問題点の共有、今後の方針などを話し合い、串原養豚×ゴーバルの二人三脚で、よりよい「おいしいもの作り」を目指しています。
アニマルウェルフェア(動物福祉)って?

アニマルウェルフェア(Animal Welfare)とは、家畜が本来持っている本能や習性、感受性を大切にしながら、生きている間にできるだけストレスを少なくし、家畜がその生き物らしく生きることができる飼育方法をめざすことをいいます。
串原養豚では2019年に発生した豚熱をきっかけに、それまでの豚舎を大幅に改装し、頭数を減らしてゆったりと飼育できる形に作りかえました。
母豚が藁で巣作りをする習性や、子育ての本能を尊重し、ストレスを減らす取り組みを行っています。
母豚の群飼
ストール(クレート)を使わずに

食べる、寝る、排泄し、歩き、走り、時にはケンカする。豚が習性に応じて行動し、他の豚との関係をもてることを大切にしたいという思いから、妊娠ストールは使用していません。
分娩の時は個別の豚房に移り、母豚がもつ巣作りの習性を十分に発揮できるよう、敷きわらを与え、分娩クレートは使用せずに出産をします。
(ストール、クレートとは豚を個体管理し行動を制限するための狭い柵です)
共同授乳
大きな部屋でみんなで子育て

子豚たちはそこら中を走り回り、時々よそのお母さん豚のお乳を飲みに行ったりすることも。
3〜4週で離乳させるのが一般的ですが、ここでは約7週間かけてゆっくりと離乳していきます。
肥育舎
あそびとゆとりをもって

離乳した子豚は敷料が厚く敷かれた豚房で、走り回ったり、穴を掘ったりしてすごします。離乳前に子豚の群れができあがっているので、子豚だけの群れになってからも安心して仲良くすごすことができます。
肥育期の飼育スペースにもゆとりをもたせ、くさり、木材、ワラなど必要に応じておもちゃになるものを与えます。
しっぽを切らないという選択

豚は様々な原因のストレスによって他の豚の尻尾をかじってしまうことがあります。そのため普通は子豚のうちに尻尾を切っておくのですが、豚にかじられるか、人に切られるか、どっちもいやですね。しっぽは食べるところがなく、人にとっては価値のない、取るに足らない細部というわけですが、本当にそうでしょうか?串原養豚ではしっぽを切らずに、豚がしっぽをかじらなくてもすむような飼い方を、試行錯誤しながら実践しています。
免疫学的去勢の導入
“外科的去勢をしない”という試み
日本で流通している豚肉のほとんどは「メス」または「去勢をしたオス」です。
メスに比べオスのお肉は匂いが強く、野性的な風味がします。日本では特に匂いの少ないお肉が好まれる事と、飼育の面でもオス特有の行動が問題になることから、子豚のうちに去勢するのが一般的です。
具体的には生後数日のうちに、切って押し出して引き抜くという手法ですが、通常麻酔も縫合もしないため激しい痛みや、感染症などのリスク、また子豚の悲鳴による母豚へのストレスなどの問題があります。
串原養豚ではその点を考慮して、免疫学的去勢という方法を試みています。ワクチンのような働きをする製剤を注射して、豚の免疫機能によって雄臭の原因物質の放出を抑えるというものです。
「オスのままを受け入れて、食べる」が本当は理想かもしれません。
何が正解かはわかりませんが、ゴーバルと串原養豚で話し合い、現時点ではこの方法を取り入れるという結論に至りました。
飼料について

トウモロコシ、玄米(飼料米)、麦、大豆粕、などを主原料とした配合飼料を与えています。離乳から出荷までの肉豚用と種豚用、いずれも遺伝子組換え分別管理済の原料です。成長促進や疾病予防を目的とした抗生物質の添加もありません。

種豚には乾草やサイレージなどの牧草も与えています。腸内環境を整え、満腹感を与え、よく噛んで食べることにストレスを和らげる効果があるようです。
串原養豚の豚たちの様子は「instagram#kusi_ton」や
ゴーバル便りに連載している「豚飼雑感」のページでも見ることができます。

